道北日本海にもカレイ類幼稚魚の生育場は存在した!


[要約]
道北日本海海域においてカレイ類幼稚魚の分布を実施した。その結果、オホーツク海海域と同様に、水深20m~50mの砂泥域にカレイ類幼稚魚の生育場が広範囲に渡って存在することが確認された。
北海道立稚内水産試験場・資源管理部
[連絡先]0162-23-2126
[推進会議]北海道ブロック水産研究関係試験研究推進会議
[専門]資源生態
[対象]カレイ
[分類]研究

[背景・ねらい]
道北海道域において、沿岸漁業の重要な資源であるカレイ類(マガレイ、スナガレイ)幼稚魚の生態に関しては、不明な点が多い。幼稚魚の分布量から資源の予測を行うため、その第一歩として、幼稚魚の分布域や生活環境を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

  1. 8月に道北日本海で調査を行った結果、すでに生育場として知られるオホーツク海雄武周辺海域と同様に、マガレイやスナガレイの幼稚魚が多数採用され、道北日本海にも幼稚魚の生育場が広範囲に存在することを初めて確認した(図1写真2)。
  2. 幼稚魚は主に水深20~50mに分布してしたが、スナガレイはマガレイよりやや浅い水深帯にも分布していた。
  3. 幼稚魚の多くは砂泥域に分布していた。
  4. 採集したマガレイ幼稚魚の大きさ(体長)は、0歳で約30㎜、1歳魚で約70~80㎜で、また同じ年齢でも北に行くほど大きかった(図2写真1)。

[成果の活用面・留意点]

    今後、幼稚魚分布量の年変動を調査し、漁況予測精度の向上を図る予定である。

[具体的データ]

図1 調査海域 ()内は調査年度を示す

図2 採集したマガレイ幼稚魚の年齢別体長組成 図中の数字は平均体長を示す

写真1 幼稚魚の採集風景

写真2 採集したマガレイ幼稚魚


[その他]
研究課題名:水産資源調査、留萌沿岸におけるマガレイ幼稚魚の分布調査
予算区分 :道費:水産試験研究プラザ関連調査研究事業、国費:水産生物生態調査
研究期間 :平成2年度~平成5年度(平成2年度~平成6年度)
研究担当者:北海道立稚内水産試験場・資源管理部 渡野邊 雅道・前田 圭司
発表論文等:北部日本海域におけるマガレイ幼稚魚の分布。北水試だより26 1994
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