厚岸でニシンの人工授精を実施しました
北海道区水産研究所 生産環境部 資源増殖グループ(北海道厚岸町)は、より効率的なニシンの種苗放流技術と資源管理技術の開発を目的とした試験研究に供する種苗を作るため、2011(H23)年4月21日に、厚岸漁業協同組合地方卸売市場内においてニシンの人工授精を実施しました。 厚岸周辺では3月下旬頃から産卵のために回帰したニシンが漁獲され始めることから、毎年4月中旬に厚岸近隣の漁業関係者の協力をいただきながら、当日に漁獲されたニシンを使って人工授精を行っています。 |
人工授精の手順について説明する白藤研究員 |
この日人工授精に使用したニシン | 雌から卵を取り出す | ゴムベラなどを使用して卵巣膜と卵を分離 |
切り刻んだ精巣をナイロンネットに入れて精子を絞り出す | 精子と卵を混ぜ合わせ、バケツ中の海水に溶いて、マブシ(シュロの繊維)に付着させる | 受精したニシン卵が付着したマブシ |
今年は、漁業者など25名ほどが参加、約400万粒の受精卵を確保しました。この受精卵は5-6cm程の稚魚になるまで厚岸庁舎で飼育した後、中間育成を経て7月下旬〜8月上旬には厚岸町、浜中町、釧路町昆布森から放流される予定です。 種苗には放流箇所ごとに異なる標識を付けて追跡調査を行い、ニシン資源管理のための分散、移動、回帰の状況や資源変動要因解析のためのデータを取ることとしています。 |
北水研厚岸庁舎内の育成用水槽(50 トン)に収容された受精卵 |