平成24(2012)年さけます幼稚魚の放流体験
6月に入り、北海道も新緑に包まれて、さわやかな風が心地よい季節となりました。道内各地の河川では、さけます幼稚魚の放流がいよいよ終盤を迎えました。
北海道区水産研究所では北海道にある12箇所のさけます事業所が14河川において調査研究と個体群維持のためのさけます類のふ化放流を行っています。このうちいくつかの事業所では、地元自治体や漁業関係者らとともに子どもたちの放流体験学習を行いましたので、その様子を紹介します。
カラフトマス稚魚の放流体験(斜里さけます事業所北見施設)
北海道北東部に位置する北見市の常呂川では、4月24日に河川敷「香りゃんせ公園」で北見南小学校4年生80名がカラフトマス稚魚の放流体験学習を行いました。
この催しは地元の小学生の皆さんにオホーツク海に流れ込む常呂川の自然環境と水産資源のことをより多く知ってもらおうと、常呂漁業協同組合との共催で行われているものです。小雨交じりの少し寒い日でしたが、子どもたちも稚魚もいたって元気。根室さけます事業所の本間所長による稚魚や川のお話を聞いたあと、子どもたちによって1000尾のカラフトマス稚魚が放流されました。
カラフトマスについてはこちらもチェック!
みんな一緒にカラフトマス稚魚を放流. | 子どもたちからお礼の言葉をもらいました.写真左側、手前が常呂漁協組合長、奥が本間所長. | 体験学習に参加した北見南小学校、常呂漁協、北見市役所のみなさんと記念撮影. |
サクラマス幼魚の放流体験(尻別さけます事業所蘭越施設)
北海道南西部の蘭越町にある尻別さけます事業所(蘭越施設)では、5月2日、地元蘭越小学校の2年生28名がサクラマスの放流体験学習を行いました。
児童らが放流したのは体長 14 cm 程の幼魚 200尾で、事業所構内から尻別川へ流れ込む小川に放されました。構内にはまだ雪が残っていましたが、この日は天気が良く、桜がぽつぽつと咲いていました。子ども達は元気に「来年帰って来てね」と幼魚を送り出してくれました。
サクラマスについてはこちらもチェック!
- ●主な放流魚種 サクラマス
- ●サケ科魚類のプロファイル-2 サクラマス(PDF)
この日は陽差しの暖かな良い天気.子ども達はもちろん、おじさん達も嬉しそう. | 放流した幼魚.H22年の秋に採った卵をふ化させ、1年以上飼育した魚です. | サクラマスを驚かさないよう、そぉーっと放流.よーし、上手っ!!. |
サケ稚魚の給餌・放流体験(徳志別さけます事業所)
北海道北部の枝幸町にある徳志別さけます事業所では、5月16日、枝幸小学校の5年生48名が社会見学の一環として事業所を訪れ、サケ稚魚の放流と給餌を体験しました。
飼育施設の中で子ども達は、職員に教えてもらいながら、5cm程に育った稚魚の放流や、まだ小さな稚魚の池でエサやりをしました。中には、池に黄色い体色の稚魚(アルビノ)を見つけて夢中になってしまう子も。給餌・放流体験を終え「すごくおもしろかった!」という、嬉しい感想も聞けました。
サケについてはこちらもチェック!
- ●主な放流魚種 サケ
- ●サケ科魚類のプロファイル-10 サケ(PDF)
石村所長(左)の案内で見学スタート。サケ漁が盛んな枝幸町の小学生だけあって「サケの語源は?」なんて難しい質問も. | バケツに取り分けたサケ稚魚を放流.もっとたくさん放流したい風に見えますね. | さけますふ化放流についていっぱいお勉強したあとは、エサやり体験。「早く大きくなあれ!」 |