独立行政法人 水産総合研究センター 北海道区水産研究所
厚岸でニシンの採卵と人工授精(2008.4.23)

4月23日に厚岸漁業協同組合の魚市場において、恒例のニシンの採卵と人工授精が厚岸湾ニシン放流技術検討会主催で行われました。

厚岸周辺では3月頃から産卵のために回帰したニシンが漁獲され始めることから、毎年4月に漁業者、厚岸漁業協同組合、厚岸町、釧路地区水産技術普及指導所、道立釧路水産試験場および北水研厚岸栽培技術開発センターの関係者が参加して、当日に漁獲されたニシンを使って採卵と人工授精を行っています。

この日に得られた受精卵は、厚岸栽培技術開発センターの水槽に収容して放流する7月まで飼育します。放流した稚魚は2年後には23cm程度に成長します。

今年はおよそ75万尾の稚魚を厚岸湾や浜中湾などに放流する計画です。


採卵用のニシン 当日水揚げされたニシンから105kgを購入

 

雌雄の選別作業。ニシンはまず雌雄と産卵後のものに選別する

 

成熟した雌の卵巣

 

卵巣(雌)の摘出作業

 

精巣(雄)の摘出作業

 

卵巣と精巣の摘出作業

 

卵巣からの卵の取り出し。ゴムこてで絞り出す。

 

精巣から精子のしぼり出し。網目の細かいネットに精巣を入れてしぼり出す。

 

授精作業1 卵子に精子をかける。

 

授精作業2 精子をかけた卵子を海水に入れる。

受精した卵を付着基質に付着させる。基質はパーム材(ヤシの繊維をほぐしたもの)。

 

付着したニシンの卵

 

厚岸栽培センター水槽への受精卵の収容

 

授精作業で腕に付着したニシンの卵