独立行政法人 水産総合研究センター 北海道区水産研究所
厚岸ニシン34年ぶりの大漁!!放流ニシンが資源の下支え(2008.5.9)

写真 厚岸のニシン漁は、今年4月末までの漁獲量が327トンに達し、 350トンの漁獲量があった1974年(昭和49年)以来の大漁でした。

fig. 1 北海道の沿岸域に産卵するために来遊するニシンは、 古くから重要な魚として知られています。 しかし、資源量の変動が大きく、厚岸湾や厚岸湖のニシンも、 1960年代には最大で1.5万トン近くあった漁獲量が70年代に急減し、 75〜78年のほぼゼロを含め10トンを越えない状況が続きました(図1)。

fig. 2 このような資源壊滅の危機に瀕した厚岸ニシン資源の回復を促すため、当研究室では 1982年に種苗生産と放流に関する技術開発に着手しました。87年には厚岸湾に初めて種苗を放流しました。 その後、漁獲量は徐々に増加しており、その10〜30%が放流魚で占められています(図2)。
 今回の大漁は、こうした種苗放流の効果に加えて、 数年前の天然発生量が多かったためではないかと、現在、当研究室で詳しい要因を調べています。

栽培技術研究室(厚岸栽培技術開発センター) 村上直人


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