独立行政法人 水産総合研究センター 北海道区水産研究所
厚岸でニシンの人工授精を実施しました。 ( 2010.5.24 掲載 )

 北海道区水産研究所厚岸栽培技術開発センターでは、より効率的なニシンの種苗生産・放流技術の開発を目的とした試験研究に供する種苗を作るため、本年4月21日に、厚岸漁業協同組合地方卸売市場内においてニシンの人工授精を実施しました。

 この人工授精は、毎年4月中旬に、北水研を含む厚岸近隣の漁業関係者で構成される「厚岸湾ニシン放流技術検討会」のなかで実施しているもので、受精卵は厚岸栽培技術センターの水槽内で5cm程の稚魚になるまで飼育した後、厚岸、昆布森、浜中の各漁協に種苗を受け渡し、中間育成を経た後に放流して、その効果を調査する予定です。

 また、この人工授精を経て飼育されたニシン種苗は数十万単位で放流されることから、調査研究目的のみにとどまらず、資源増大にも大きく寄与しており、近年、厚岸周辺では水揚げ量が増えてきています。


初めに、厚岸栽培技術開発センターの白藤研究員が、人工授精の手順を説明しています。 ニシンの雌雄を確認しています。
初めに、厚岸栽培技術開発センターの白藤研究員
が、人工授精の手順を説明しています。
ニシンの雌雄を確認しています。
ニシンの雄から精巣を取り出しています。 ニシンの雌の卵巣から卵を取り出しています。
ニシンの雄から精巣を取り出しています。 ニシンの雌の卵巣から卵を取り出しています。
ニシンの卵と精子を混ぜ合わせています。 精子を混ぜ合わせた卵を、海水の入ったバケツに入れています。
ニシンの卵と精子を混ぜ合わせています。 精子を混ぜ合わせた卵を、海水の入ったバケツに
入れています。
「マブシ」と呼ばれるヤシの繊維をほぐしたものにバケツ内の卵を付着させています。 「マブシ」に付着させた卵です。ニシンは卵を海藻に産み付ける習性をもっています。
「マブシ」と呼ばれるヤシの繊維をほぐしたものにバ
ケツ内の卵を付着させています。
「マブシ」に付着させた卵です。ニシンは卵を海藻に
産み付ける習性をもっているので、卵は簡単に付着
します。
独立行政法人 水産総合研究センター 北海道区水産研究所