独立行政法人 水産総合研究センター 北海道区水産研究所

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最終更新:2008年7月3日

黒潮親潮移行域における浮魚類並びにスルメイカの加入量早期把握調査(2008.5.8〜29)
亜寒帯漁業資源部
浮魚・頭足類生態研究室
山下 紀生
Norio Yamashita

 


 平成20年5月8日〜29日、水産総合研究センター中央水産研究所と共に、調査船「北鳳丸」 (水産総合研究センター用船・北海道教育庁実習船管理局所属)により、春〜夏季の黒潮親潮移行域において 、浮魚類並びにスルメイカの加入量早期把握調査を行いました。

調査目的
 太平洋に分布するマイワシ・サバ類などの小型浮魚類並びにスルメイカの当年における加入量水準を把握
するために、5月の黒潮続流域〜移行域において、幼稚仔の分布状況と海洋環境に関する情報を中央水産
研究所と北海道区水産研究所が共同で収集します。
 調査船は水産総合研究センター用船の北鳳丸(北海道教育庁実習船管理局所属)です。
 本年は2008年5月8日〜5月29日に北緯35〜39度、東経143〜160度の海域で計40回の表層トロール調査と
海洋観測を実施しました。この調査は1996年から同一手法による定量的な調査として実施しています。

   北鳳丸(北海道教育庁実習船管理局所属) 


調査内容
(1)表層トロール
  ・コッドエンド目合が約10mmの幼稚仔採集用のトロール網を使用し、速度3.5ノットで夜間に30分間曳網
    します。
  ・採集した標本は船上で魚種別に選別し、研究所に持ち帰ったの後に体長や日齢などを調べます。
 

  表層トロール(曳網中) 表層トロール(揚網中)

 表層トロール(揚網終了) 船上での標本選別

採集物の一例(中央がイカ類、右と左はハダカイワシ類)

(2)海洋環境の観測・プランクトン採集・計量魚探
  ・水温と塩分データをCTDやXCTDを用いて収集しました。
  ・調査点の水深0〜150mに分布するプランクトンをノルパックネット(網目335μm)により採集しました。
  ・トロール曳網中に計量魚探を作動させて、音響データを収集しました。

 (亜寒帯漁業資源部 浮魚・頭足類生態研究室 山下 紀生)