独立行政法人 水産総合研究センター 北海道区水産研究所

北水研トップ調査・航海だより > 漁業調査船「北光丸」 平成20年度第1次航海
最終更新日:2008年5月1日

「スケトウダラ仔稚魚春季定量調査」(2008.4.11〜4.24)

調査目的
 計量魚群探知機(魚探)やトロールを用い、噴火湾周辺海域におけるスケトウダラ仔稚魚の分布様式や現存料を把握することによって、 スケトウダラ太平洋系群の資源評価精度の向上および生命表の作成に貢献します。
 また、海洋観測やプランクトン採集により、同海域における環境情報を収集することよって、本系群の加入量変動要因の解明に役立てます。


調査内容
 (1)M-CTD観測・プランクトンネット採集
   ・定点(23点)において、M-CTDおよびプランクトンネット採集の海洋環境観測を行いました。
   ・観測は昼間のみ行い、M-CTDは海底の5m上から水面まで測定し、水温・塩分データを収集。
   ・プランクトン採集は、2種類のノルパックネット(網目:NGG54、NXX13)を用いて、海底の5m上から水面までを採集。

   ※CTDとは、電気伝導度(Conductivity)・水温(Temperature)・水深(Depth)の頭文字を取っています。
    また、電気伝導度はここでは塩分(塩化物イオン)を示します。

 

M-CTD観測-1

 M-CTD観測-2

プランクトンネット採集-1

 プランクトンネット採集-2


 (2)スケトウダラ仔稚魚ネット採集
   魚群反応が認められた地域においてフレームトロールネット(網口:2m×2m)の水平曳き採集を行い、魚群反応の種組成および
  体長組成を調べました。

スケトウダラ仔稚魚ネット採集-1

スケトウダラ仔稚魚ネット採集-2

スケトウダラ仔稚魚ネット採集-3



 (3)魚探航走+ADCP観測+X-CTD観測
   ・昼間、魚探とADCPを稼働させながら、定線上を航走することによって、音響データと流向・流速データを収集。
   ・ノイズの混入を防ぐため、魚探の稼働中は、主機2台の船速10ノットを維持し、魚探とADCP以外の音響測器類は全て停止。
   ・魚探航走+ADCP観測時には、全観測点においてX-CTDを行い、水温・塩分データを収集。

   ※ADCPとはAcoustic Doppler Current Profilerの略で、音響式流向流速計のこと。
    この、ADCPは音波のドップラー効果を利用して水の流速を直接測ることができます。

 

魚探航走


 (4)OCPS観測
   上記の(1)〜(3)の観測中にOCPS観測を行い、環境データ(水温・塩分)の収集。
 (5)TS測定
   魚探反応が比較的薄い地点において、船体を漂泊させながら音響データを収集。
 (6) 採集物の保存
   ・ノルパックネットの採集物は全て、5%ホルマリンで保存。
   ・仔稚魚ネットの採集物は、量によって、適宜保存方法を決定。(5%ホルマリン、100%アルコール、−20℃冷凍)

→調査・航海だよりへ戻る