おさかなセミナーくしろ2001:磯の生き物の科学 小学生からの質問
おさかなセミナーくしろ2001の講演会では、釧路市立柏木小学校(5,6年生)95名の生徒が参加されました。
このペ-ジでは講演を聞いた小学生からの質問・疑問についてお答えします。

海藻について
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どんな海藻が何種類いるのですか?また、コンブは何種類ほどあるのですか?
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コンブがはじめてとれた年はいつですか?
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コンブは最高どれくらい長くなりますか?
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なぜ2万トン~3万トンものコンブがあるのですか?
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海草と海藻は何を食べているのですか?
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ビールの泡やアイスクリーム、ラーメン、スピーカー、パンフレットに書いている他に、海藻(アルギン酸)が使われている物はありますか?
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ワタモという海藻は何という種類なんですか?
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海鳥がいすぎると海藻に変化があるのですか?
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千代の浦海岸にはどんな海草がいますか?
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海藻とゴミの関係は?
ウニについて
- ウニは全部で何種類いますか?
- ウニとゴミとの関係は?
- ウニの生産量は?
- ウニはどのようにして獲るのですか?
- ウニの歯はなぜ5本なの?
- ウニは餌の海藻によって大きさが違うのはなぜ?
- ウニがビニール袋などを食べると病気になる?死んだウニは食べられるの?
- ウニは大きいほど美味しいのですか?
- ウニは年間何匹位とれますか?
- エゾバフンウニは白いんですか?
- 「メスのウニ」と「オスのウニ」とでどっちが身が詰まっていますか?
- 北海道にはどんなウニがいるのですか?
- ウニの棘(とげ)は何本ですか?
- ウニが初めてとれたのはいつ?
カニ(ハナサキガニ)について
- カニのお世話は大変じゃないですか?
- カニは何年くらいで大きくなるのですか?
- カニはどこでとれるのですか?
- カニはどんな物を食べるのですか?
- ハナサキガニは大きさ何cm以上になるのですか?
- なぜカニは「ハサミ」をもっているのですか?
その他
- 海の上に浮かんでいるゴミのことを教えて下さい。
- サケは今までで一番大きいのは何cmですか?
- 水産試験場(研究所)で飼っている魚はなんですか?
- 網には出荷されている魚以外にどんなのがかかりますか?
- 魚とゴミの関係は?
- お魚の種類はいくつありますか?また名前は何ですか?詳しくわからなくても知っているだけのお魚のことを教えて下さい。
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海藻について
- どんな海藻が何種類いるのですか?また、コンブは何種類ほどあるのですか?
- 答え:
釧路沿岸では緑藻17種、褐藻40種、紅藻66種の合計123種です。
コンブと名がつくものは、ネコアシコンブ、ゴヘイコンブ、ガッガラコンブ、トロロコンブ、エナガコンブ、ナガコンブの6種です。
学校の図書室の図鑑で調べてみてね。
- コンブがはじめてとれた年はいつですか?
- 答え:
アイヌの人々が昔からとっていたようですが、はじめてとれた年はわかりません。
平安時代には都でもかなりの貴重品になっていました。
本州の人が北海道にきて、コンブをとり商売をするようになったのは明治時代からです。
- コンブは最高どれくらい長くなりますか?
- 答え:
ナガコンブという種類が最も長くなり、15mから20mになるものがあるそうです。
でも、現在普通に見られるものは、4mから12mくらいです。
- なぜ2万トン~3万トンものコンブがあるのですか?
- 答え:
北海道の沿岸は低温で栄養塩類が豊富なので、コンブ類が育つのによい環境だからです。
また、そのほとんどは食用として重要だからとっていて、大正から昭和初期には5万トン~7万トンもとり、中国へ輸出していたこともありました。
- 海草と海藻は何を食べているのですか?
- 答え:
植物は動物と違って口がないので食べることはできませんが、太陽の光と自分の持っている葉緑素によって光合成をして、栄養となるものをつくっています。
そのほか成長に必要な栄養塩類は、海草では根から、海藻では体の全体で吸収しています。
- ビールの泡やアイスクリーム、ラーメン、スピーカー、パンフレットに書いている他に、海藻(アルギン酸)が使われている物はありますか?
- 答え:
シャーベット、オレンジドリンク、スープ、ケチャップ、ソース、飲むヨーグルト、ドレッシング、マーガリン、チーズなどに使われていることがあります。
- ワタモという海藻は何という種類なんですか?
- 答え:
褐藻の仲間です。
コンブにも比較的近い種類です。
学校の図書室の図鑑で調べてみてね。
- 海鳥がいすぎると海藻に変化があるのですか?
- 答え:
海草の仲間のアマモは比較的浅いところに生えていて、ハクチョウやカモの仲間が多いとほとんど食べつくされてしまうこともあるそうです。
海藻を食べる鳥は少なく、海藻は比較的深いところに生えているものも多いので、鳥の影響はないようです。
鳥のふんは海藻の栄養になりますが、多すぎると害も考えられます。
- 千代の浦海岸にはどんな海草がいますか?
- 答え:
長さ数十cm、幅数mmのひものような緑色をしたスガモだけです。
学校の図書室の図鑑で調べてみてね。
- 海藻とゴミの関係は?
- 答え:
海に潜ると海藻のまわりにジュースの空き缶がころがっていることがあります。
とりのぞこうとすると赤茶色のさびがでてきてまわり一面にひろがります。
さびは海藻が育つのに有害です。
飲んだ空き缶は家に持ち帰って水で洗い、市の資源ゴミ回収日に出すようにしてね。
そのほかビニール袋や生ゴミなど海藻が育つのに良いと考えられるものはありません。
ゴミは海に直接すてないでね。
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ウニについて
- ウニは全部で何種類いますか?
- 答え:
世界中の海にウニの仲間は住んでいて、800種類以上いるといわれています。
(全部調べるのは大変なのでこのくらいで許してね)
- ウニとゴミとの関係は?
- 答え:
ウニはビニールやプラスティックなんかも食べてしまいます。
でも消化できないのでお腹をこわすかもしれません。
また、ウニの幼生は海に「溶けている汚れ」にとても弱く、きれいな海でないと育ちません。
- ウニの生産量は?
- 答え:
毎年全国で約15000トンくらい、北海道では全国の40%くらいです。
最近では外国からの輸入が多くなってきています。
- ウニはどのようにして獲るのですか?
- 答え:
道東では、潜水夫が海に潜って獲ることが多いです。
海の透明度が高いところでは、船の上から「箱メガネ」で海中をのぞき「タモ網」ですくって獲る方法もあります。
- ウニの歯はなぜ5本なの?
- 答え:
ウニは「棘皮(きょくひ)動物」といってヒトデやナマコと親戚です。
この仲間の動物は体の基本的な作りが五角形なんです。
なぜ五角形なのかは「?」ですが、そのせいで歯も5本なんです。(ナイスな質問デス)
- ウニは餌の海藻によって大きさが違うのはなぜ?
- 答え:
海藻の種類によって、含まれている栄養分やウニの消化しやすさが違うからです。
海藻もウニに食べられないよう頑張っているんですよ。
- ウニがビニール袋などを食べると病気になる?死んだウニは食べられるの?
- 答え:
ウニがビニールなどを食べるとお腹をこわしてしまいますが、死ぬことはないようです。
海が汚れたり、異常な高水温の時なども病気になり、一度にたくさんのウニが死ぬことがありますが、今のところ直す方法はありません。
また、死んだウニは食べられません。
- ウニは大きいほど美味しいのですか?
- 答え:
ウニの大きさと味には関係がないようですが、歳をとったウニはあまり美味しくないようです。
- ウニは年間何匹位とれますか?
- 答え:
1匹平均100gとして、15000トン。
さあ、計算して下さい。
15000トン=15000000000g
- エゾバフンウニは白いんですか?
- 答え:
殻の色は「茶色っぽい緑」から「緑っぽい茶色」までいろいろあります。
まれに真っ白い殻のエゾバフンウニもとれますが、とても珍しいです。
また、私たちが食べる身の部分(生殖腺)はオレンジ~黄色です。
- 「メスのウニ」と「オスのウニ」とでどっちが身が詰まっていますか?
- 答え:
身のつまり方にオス・メスで差はありません。
グルメな人はメスの方が美味しいといいますが、本当のところは「?」です。
- 北海道にはどんなウニがいるのですか?
- 答え:
「エゾバフンウニ」や「キタムラサキウニ」のほかに、「ツガルウニ」、「サンリクオオバフンウニ」、「アカウニ」、「バフンウニ」などがいます。
- ウニの棘(とげ)は何本ですか?
- 答え:
ウニの棘は体が大きくなるほど増えるので、本数はわかりません。
でも、体の大きさが6cmくらいのエゾバフンウニは2500本くらい棘があります。
(夜寝ないで数えました(^^;))
- ウニが初めてとれたのはいつ?
- 答え:
大昔の貝塚からもウニの殻が出てくることがあるようで、ず~っと昔から獲って食べていたようです。(ムズカシイ・・)
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カニ(ハナサキガニ)について
- カニのお世話は大変じゃないですか?
- 答え:水温の管理や餌の量、種類などに気を使っています。また、卵を産ますときは特に気を使います。
- カニは何年くらいで大きくなるのですか?
- 答え:生まれてから50日くらいでカニの形になりますが、大人のカニになるには6年くらいかかります。
- カニはどこでとれるのですか?
- 答え:浜中からノサップ岬にかけての水深50から100m位の岩場で多くとれます。
- カニはどんな物を食べるのですか?
- 答え:生まれたばかりの時はプランクトンを食べますが、大きくなるにつれ色々なものを食べるようになります。
砂の中の生物やエビ、カニの小さいもののほかウニやイソギンチャク、貝類、海藻などです。ヒトデも食べます。
- ハナサキガニは大きさ何cm以上になるのですか?
- 答え:甲羅(こうら)の長さでオスは15cm、メスは13cmくらいになります。
- なぜカニは「ハサミ」をもっているのですか?
- 答え:餌を食べるときや外敵と戦うためにあります。
大きなカニならハサミでアサリを割って食べます。
人間でいえば「て」の役目を果たしているといえます。
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その他
- 海の上に浮かんでいるゴミのことを教えて下さい。
- 答え:
海に浮いているゴミは川から流れ出たもの、直接海にすてられたもの、海岸のゴミが何かのひょうしで海に流れ出したものなどがあります。
それらのゴミは、いずれくさって、海中にとけてしまうものもあれば、海底に沈むものもあります。
また、海岸近くでは波で再び浜に打ち上げられるものもあります。
中には、海流によって遠くまで運ばれるものもあります。
太平洋のハワイ諸島の北には、海流によって運ばれたたくさんのゴミがたまっている場所があると言われています。
海岸で拾ったゴミの中には、日本で見られないような文字が書かれたものや、日本では使われていないようなものが見つかる時があります。
きっとそれは、外国から海流によって運ばれて来たものかも知れません。
- サケは今までで一番大きいのは何cmですか?
- 答え:
北水研の研究者が調査等で測定した中では「95cm」のサケがあったそうです。
- 水産試験場(研究所)で飼っている魚はなんですか?
- 答え:
北海道区水産研究所では、マツカワ、ヌマガレイ、テラピア、ツボダイ、マハゼ、などの魚と、エゾバフンウニ、キタムラサキウニ、アサリなどを飼っています。
釧路水産試験場では、現在、生かしておく施設がないので飼っていません。
- 網には出荷されている魚以外にどんなのがかかりますか?
- 答え:
魚を捕る網には、定置網、流し網(※1)、底引き網(※2)、巻き網などあり、捕る魚の種類により使い分けられています。
網に入った魚はたいてい出荷されることが多いのですが、クジラはとくべつな許可(きょか)が無い場合は、逃がさなければなりません。
また、小さな魚は高く売れないので、できるだけ逃がすようにようにしています。
また、ギンポの仲間や、カジカの仲間、クサウオ(寒天のようにぶよぶよした魚)の仲間などで食べてもあまり美味しくない魚は、出荷されませません。
時々網にかかるもので、出荷されない面白い名前のものをあげておきます。
ボウズギンポ(ギンポの仲間)、ノロゲンゲ(ぶよぶよした魚、食べる県もある)、ニラミカジカ(本当に眼が大きい)、ガンコ(カジカの仲間、食べる県もある)、アバチャン(クサウオの仲間)
※1 時には、イルカや海鳥も一緒に掛かることがあるので、害を少くするよう、使用が制限されています。
※2 昨年の北水研一般公開で底引き網調査で獲れた次の魚を展示しました。(カッコ)は、出荷されるであろう魚介類です。(平成12年度北水研一般公開での実物展示より)
- 魚とゴミの関係は?
- 答え:
海に浮いているゴミは流れに乗って、潮目というところにたまりやすいのです。
この潮目には、泳ぐ力の弱い魚の赤ちゃんたちも集められます。
体に良くない物質を出すゴミがある場合は、体力の弱い魚の赤ちゃんは、悪い影響を受けるだろうと言われています。
また、何かのひょうしに輪ゴムや輪になったビニール紐を体に巻き付いて、傷ついた魚がとれることがあります。
最近は、マナーの悪い釣り人が、釣り糸や釣り針を海にすてるので、魚ばかりではなくカモメなど海鳥も傷つけれる例が報告されています。
- お魚の種類はいくつありますか?また名前は何ですか?詳しくわからなくても知っているだけのお魚のことを教えて下さい。
- 答え:
日本の周辺では約2,500種類くらいいると考えられています。
そのうち釧路市周辺の海には約168種類いると言われています(「釧路の魚(釧路新書21)」より)。
魚の生活がよくわかっているものもあれば、ほとんどわからないものもいます。
沼や川に住んでいる魚は、子供の時代から大人の時代まで、私たちの目で追っかけやすいので、わかっている部分が多いのですが、海にいる魚、とくに回遊魚(かいゆうぎょ)と言って、広い海を遠くまで泳いでいく魚や、深いところにすんでいる魚は、わからないところが多いのです。
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