おさかなセミナーくしろ2002 砂浜の生き物、貝類より  

 釧路周辺域の砂地の浅瀬にはアマモなどの海草がみられ、砂地の合間の
岩礁が顔を出しているところにはコンブなどの海草が付着しています。
  砂浜に生息する主な動物としては、アサリ、ホッキガイ(ウバガイ)、ホタテ
ガイなどの貝類、ヨコエビ類やシオムシなどの甲殻類や、ゴカイ類があげら
れます。また、岩などから脱落して砂浜にたまった海藻類(寄り藻)には、こ
れを餌とするウニや甲殻類のヘラムシなども集まっています。
 くわしくみると、川が流れ込む河口域周辺のおだやかな浅い砂地にはアサ
リが分布し、これより深い水深10mまでの流れがある海底にはホッキガイ
が分布しています。ホタテガイはもっと深い水深30m位までの波の影響が
少ない海底に分布し、アサリやホッキガイのように砂には潜らずに、海底の
表面にいます。
 これらの貝類は海水中や砂地の表面などで成長する小型の藻類(ふつう
1mmの数十分の一)や、川から運ばれてくるさまざまな物質(窒素、リン、
植物などの分解物など)、海藻など海の植物が分解されてできた餌などを
食べて生活していると考えられています。
 なお、ウニやヘラムシなどは寄り藻を細かく砕くことによってこれを食べて
おり、この砕片が貝類などさまざまな動物の餌にもなっていると考えられま
す。(内田・松尾)

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