磯で見られる海藻 4)海藻の生産量と利用

おさかなセミナーくしろ2001「磯の生き物の科学」より

 日本の海藻生産量は、生の重量で約70万トンです。養殖ノリ類が40万トンで最も多く、次いで天然コンブの12万トン、養殖ワカメの9万トンです。これらの海藻はほとんどが食用として利用されています。海藻類はビタミン類や第6の栄養素といわれる食物繊維を豊富に含んでいるので、現代の食生活に最もかけている面を補ってくれる大切な食品です。

 海藻は食用以外に工業、医薬、肥料、飼料など色々な分野で利用されています。特に、褐藻から抽出したアルギン酸、紅藻から抽出したカラギーナンと寒天は、今や私達の食生活に欠かせないものとなっています。

 海藻や海草は多くの生物の生活と繁殖の場となっていて、これらを餌としている生物も多くいます。また、海藻や海草の群落は水質の浄化にも大きな役割を果たしています。さらに、これら群落の二酸化炭素の吸収能力は熱帯雨林に匹敵していて、地球温暖化防止に役立っていると考えられています。海藻や海草が育つ海を汚さないようにしましょう。(名畑) 

 

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