磯の生き物として〜ウニ〜 3)海藻とともに生きるウニ

おさかなセミナーくしろ2001「磯の生き物の科学」より

 卵から生まれたウニの幼生は数週間のプランクトン生活ののち、変態して稚ウニとなります。稚ウニは何処にでも現れるのではなく、石灰藻というちょっと変わった海藻のあるところで多く見られることが知られています。試しにいろいろな海藻の上でウニ幼生が稚ウニへと変態する割合を調べたところ、石灰藻の一種であるピリヒバの上ではコンブやスガモ(海草)などに比べて短い時間に多くの幼生が稚ウニへと変態しました。石灰藻は、体に硬い石灰分を沈着させているため、親ウニでもあまり好んでは食べません。ましてや変態した稚ウニは体の大きさが1o以下で、ばだ海藻をかじって食べることが出来ないのになぜ石灰藻の上で稚ウニとなるのでしょうか?この答えはまだ十分には解明されていませんが、最近の研究では石灰藻から分泌されるある種の化学物質が稚ウニの変態を引き起こしていることが明らかになっています。(町口)

 

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