おさかなセミナーくしろ2002 砂浜の生き物、貝類より   

 湿原の表面は厚さ数mの泥炭がおお
い、その下には泥や砂の層が堆積して
います。それらの層には貝化石が多数
含まれ、地層の重なりから釧路湿原は
陸から海となり、やがて海が退いて泥
炭を堆積したことがよみとれます。
 釧路町岩保木の露頭は、昭和61年
釧路川の築堤改修工事のため、湿原に
約20m四方に掘られた約4mの壁面
にあらわれたものです。貝化石は、深
さ2mの泥炭層下の砂礫層下部に、約
30cmの層状に密集していました。
岩保木からは巻貝7種、二枚貝15種
が採集されています。その他釧路市武
佐の産地からは巻貝6種、二枚貝16
種、同貝塚町からは巻貝7種、二枚貝
9種が確認され、釧路湿原を構成する
沖積層からは、あわせて34種の貝が
確認されました。これら3地点から採
集された貝化石は、岩保木が約6900年
前、武佐約5300年前、貝塚約5600年前
という年代測定値の結果が得られてい
ます。(山代)

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