おさかなセミナーくしろ2002 砂浜の生き物、貝類より   

  釧路湿原の数箇所の産地で採集され
た貝化石は、すべてが現生種で構成さ
れています。そのため採集した貝の生
息環境を調べていくと、当時の気候や
堆積環境がある程度わかってきます。
採集された貝化石は、内湾性の潮間帯
や浅海に生息する種が多く、生息底質
は巻貝では岩礁や砂礫底、二枚貝は砂
底や砂質がちの泥底に生息する種がほ
とんどを占めます。そしてこれらの貝化
石の多くは、現在道東海域に現生する
寒流系の種で占められています。しか
し、当海域に生息していない暖流系の
種も含まれていました。現在、道南を
北限とするアラムシロガイ、アカガイ、
アズマニシキ、カガミガイ、ウチムラサキ
サビシラトリガイ、北海道には生息して
いないハマグリ、シオフキなどです。
  これらの化石などから判断して約6900
年〜5300年前の釧路湿原は、現在の
下北半島の大湊湾によく似た環境であ
ったと考えられています。(山代)
左表の拡大図はここから

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